「広告にできること、できないこと〜広告は魔法じゃない科学だ〜」無料セミナー開催しました!

広告セミナー「広告にできること、できないこと」に参加してきました

2026年5月27日(水)、静岡市のSHIPにて開催された広告セミナー「広告にできること、できないこと」に参加してきました!!

今回のテーマは、「広告は魔法ではなく科学だ。」です。

広告と聞くと、多くの人は「商品を広めるもの」「売上を伸ばすもの」「新しいお客さんを呼び込むもの」というイメージを持つと思います。
もちろん、それは間違いではありません。
しかし今回のセミナーでは、広告に対して私たちが抱きがちな期待を、一度かなり現実的に見直す時間になりました。

「広告を出せば売れる」
「認知が広がればお客さんが増える」
「商品の良さを伝えれば、人は動いてくれる」

こうした考え方は、一見すると自然です。
ただ実際には、広告はそこまで万能なものではありません。

今回のセミナーでは、広告にできることだけでなく、広告にはできないこともかなり率直に語られていました。
登壇したのは、Local Ad Adviserの渡邉拓海さん、ファンシーマーケサロンの山崎啓輔さん、そしてShinker代表の曽根田光です。

渡邉さんが広告やマーケティングに関する基本的な考え方を整理し、山崎さんが場を回しながら難しい内容をわかりやすく言い換え、曽根田が現場目線で広告やWebマーケティングの実例に近い視点を加えていく形で進みました。

当日は20〜25名ほどの方が参加し、20代の若い世代から、30代・40代のビジネス層、さらに60代の方まで、幅広い年代の方が集まりました。
会場の雰囲気はかなりカジュアルで、登壇者と参加者の距離も近く、途中でリアクションが入ったり、質問が出たりする場面もありました。

セミナー後には名刺交換をする方も多く、単なる勉強会ではなく、静岡で広告やマーケティングに関心を持つ人たちがつながる場にもなっていました。

ちなみにGoogle広告のブランド効果測定でも、広告の効果はクリック数や表示回数だけではなく、広告想起、ブランド認知度、比較検討などの指標で見る考え方が紹介されています。これは、広告の役割が単なる即時購入だけではなく、記憶や認知に働きかけるものでもあることを示しています。
https://support.google.com/google-ads/answer/9049825?hl=ja&utm_source

広告セミナーで最初に考えた「広告に期待しすぎていないか」

今回の広告セミナーで最初に印象的だったのは、「そもそも広告に対する理解から間違っていたのではないか」という問いでした。

企業が広告を出すとき、多くの場合、そこには強い期待があります。

「新聞広告やチラシを出して、新しいお客さんをたくさん呼びたい」
「知っている人が増えれば、お客さんも増えるはず」
「商品の良さを伝えれば、買ってくれる人が増えるはず」

このような考え方は、広告を出す側にとってはとても自然です。
広告費をかける以上、何かしらの成果を期待するのは当然です。

しかし、実際に広告を出してみると、「広告をやったけど、思ったほどお客さんが来なかった」「認知は取れた気がするけれど、売上につながったのかわからない」というケースも少なくありません。
今回のセミナーでは、そうした広告に対する期待と現実のズレが、かなりはっきりと扱われていました。
特に強調されていたのは、広告は「短期集客の魔法」ではないということです。

広告を出したその日、その月に、商品やサービスを購入してくれる可能性がある人は、実はそれほど多くありません。
多くの人は、そもそも今すぐその商品を必要としていない状態にあります。

たとえば、車を買う予定がない人に車の広告を見せても、すぐに車を買うわけではありません。
家を建てる予定がない人に住宅会社の広告を見せても、その場で問い合わせる可能性は高くありません。

広告を見た瞬間に、急に購買意欲が生まれるわけではないのです。
特に、小さなブランドや地域企業の場合、すでに多くの人に知られている大手ブランドと比べて、広告による短期的な集客はさらに難しくなります。
だからこそ、広告を考えるときには、「広告を出せば売れる」という期待だけで進めるのではなく、広告がどのように機能するのかを冷静に理解する必要があります。

今回のセミナーは、その前提をかなり正直に確認するところから始まりました。

広告セミナーで語られた、広告にできないこと

セミナー前半では、渡邉拓海さんから、広告に関する基本的な知識や、マーケティングに関する研究・知見をもとにした解説がありました。
その中で特に大きなテーマになったのが、「広告は人の気持ちをどこまで変えられるのか」という点です。
広告というと、商品の魅力を伝え、消費者を説得し、購買につなげるものだと考えがちです。

しかし実際には、広告を見せることで消費者の商品評価や知覚品質を大きく変えたり、「この商品を買いたい」と強く思わせたりすることは簡単ではありません。
もちろん、広告によって商品やサービスを知るきっかけは生まれます。

見たことのない商品を知る、存在を思い出す、気になって調べる。
そうした効果はあります。しかし、「広告を見たから、その商品自体が急に魅力的に感じられる」「今まで興味がなかった人が、広告によって一気に購買へ動く」というほど単純ではありません。
この話は、広告を出す企業にとっても、広告を支援する側にとっても、少し耳の痛い内容です。

なぜなら、多くの場合、広告には「人を変えてくれるもの」という期待が乗っているからです。

商品の良さを伝えればわかってもらえる。
魅力的なコピーを作れば買ってもらえる。
目立つ広告を出せば反応が増える。

そう考えたくなります。

しかし、消費者はそこまで簡単には動きません。

人は毎日たくさんの情報に触れ、たくさんの広告を見ています。
その中で、一つの広告だけが人の態度や行動を劇的に変えることは、かなり難しいのです。

今回のセミナーでは、広告の役割を「説得」ではなく「想起」として捉える考え方が示されました。
広告は、消費者を無理やり説得して買わせるものではありません。
むしろ、必要になったときに「あの会社があった」「あの商品があった」と思い出してもらうための接点をつくるものです。1

この視点は、広告を短期的な売上づくりの道具としてだけ見るのではなく、長期的に選ばれる状態をつくる活動として捉え直すきっかけになります。

この考え方は、マーケティングでは「メンタルアベイラビリティ」という言葉でも説明されます。メンタルアベイラビリティとは、簡単に言えば、生活者が特定のブランドや商品を思い出しやすい状態のことです。広告の目的は、今すぐ買わせることだけではありません。むしろ、「必要になったときに候補として思い出してもらうこと」も大きな役割です。ぜひ以下の記事も参考にしてください!
https://adv.asahi.com/series/commentary/16008710?utm_source=chatgpt.com

広告セミナーで印象的だった「人は買うとき、意外と比較していない」という話

今回の広告セミナーで特に印象に残ったのが、「人は買うとき、思っているほど比較検討していない」という話です。
私たちは、消費者が商品を選ぶとき、複数の商品をじっくり比較し、一番良いものを選んでいるように考えがちです。

しかし実際には、いつも丁寧に比較しているわけではありません。
むしろ、最初に思い浮かんだブランドや、以前からなじみのあるブランドを、そのまま選んでいることも多いとされています。

たとえば、暑い日に冷たい飲み物を買いたくなったとします。
そのとき、私たちはすべての飲料ブランドを比較して、「成分」「価格」「味」「ブランドイメージ」を細かく分析してから買っているわけではありません。
多くの場合、過去に飲んだ経験や、CMで見た記憶、店頭での見つけやすさなどをもとに、自然と思い浮かんだ選択肢の中から選んでいます。

これはBtoCの商品だけではありません。
BtoBの領域でも、何かしらのサービスを検討し始めた時点で、すでに頭の中に候補があることがあります。

この分野ならあの会社」
「以前聞いたことがある」
「知り合いが使っていた」
「検索したときによく見かける」

このように、購買や問い合わせの前から、選ばれる可能性はある程度決まり始めています。

そう考えると、広告の役割も変わって見えてきます。

広告で大切なのは、商品をその場で買わせることだけではありません。

むしろ、買う必要が生まれたときに、思い出される状態をつくることです。

「この悩みなら、あの会社があった」
「こういう場面なら、あの商品があった」
「一度見たことがあるから、調べてみよう」

このように、購買のきっかけが生まれた瞬間に、候補の中に入っていることが重要になります。
広告は、そのための記憶の接点をつくる活動だと考えることができます。

以下の記事はcategory entry prize という購買想起の考え方についてのブログです。英語で読みにくいかもしれませんが、購買の時の消費者の心理をもっと学びたい人はぜひお読みください!
https://marketingscience.info/learn-with-us/commercial-research/identifying-and-prioritising-category-entry-points

広告セミナーで語られた、広告にできること

ここまで聞くと、「では広告には何もできないのか」と感じるかもしれません。
今回のセミナーが面白かったのは、広告の限界を語るだけで終わらなかったことです。

広告は短期集客の魔法ではありません。広告は人の気持ちを一瞬で変えるものでもありません。商品そのものを急に魅力的に見せることも簡単ではありません。
しかし、それでも広告にできることはあります。セミナーでは、広告にできることとして、大きく次のような内容が語られていました。

一つ目は、ブランドを思い出されやすくすることです。
広告によって、企業名や商品名、サービスの存在を記憶に残すことができます。すぐに購入されなくても、必要になったときに思い出される可能性を高めることができます。
二つ目は、既存顧客を刺激することです。すでにその商品やサービスを知っている人、過去に利用したことがある人に対して、もう一度思い出してもらうきっかけをつくることができます。
三つ目は、商品を買い求めやすくすることです。特にデジタル広告では、広告からWebサイト、予約ページ、問い合わせフォーム、ECサイトなどへ直接つなげることができます。「見たあとにすぐ行動できる状態」をつくることは、広告の重要な役割の一つです。

つまり広告は、無関心な人を一瞬でファンに変えるものではありません。しかし、思い出される接点をつくること、すでに知っている人を刺激すること、行動しやすい導線を用意することはできます。
この整理は、広告を現実的に考えるうえで非常に重要だと感じました。広告を過大評価するのではなく、広告が機能する場所を見極める。そのうえで、どこに広告を使うのかを考えることが大切です。

広告セミナーでShinker代表・曽根田が語った「ポイントをずらす」という考え方

後半では、Shinker代表の曽根田から、広告やWebマーケティングの現場に近い視点で、より実践的な話がありました。前半では、広告にできないことや、広告に期待しすぎることの危うさが語られました。ただ、それだけで終わってしまうと、「では広告はやらなくてもいいのか」という話になってしまいます。

今回のセミナーで面白かったのは、広告の限界を認めたうえで、それでも広告に何ができるのかを考えた点です。曽根田からは、訴求するポイントや見せ方を変えることで、受け手の行動に影響を与えられる可能性がある、という話がありました。

商品そのものを正面から説明しても、必ずしも人は動きません。どれだけ良い商品でも、それが相手にとって「自分に関係がある」と感じられなければ、購買にはつながりにくいからです。
たとえば、商品の機能や品質だけを伝えても、受け手がその商品を必要としていなければ響きません。

しかし、使われる場面や、悩みが生まれるタイミング、誰が紹介しているのか、どんな文脈で見られるのかを変えることで、受け取られ方が変わることがあります。
ここで重要なのが、「ポイントをずらす」という考え方です。

商品そのものを無理に魅力的に見せるのではなく、どの切り口なら相手にとって意味を持つのかを考える。どの場面で見せれば、「これは自分に関係がある」と感じてもらえるのかを考える。どの人が紹介すれば、受け手が自然に関心を持てるのかを考える。

たとえば、インフルエンサーを起用する場合も、単に有名な人を使えばよいわけではありません。その人が紹介することで、商品がどのような文脈で受け取られるのか。誰にとって、どんな意味を持つのか。そこまで考えなければ、広告はただ見られるだけで終わってしまいます。広告は、人の気持ちを無理に変えるものではありません。しかし、届け方や文脈を設計することで、行動のきっかけに近づくことはできます。この話は、広告の限界を理解したうえで、それでも広告やWebマーケティングに何ができるのかを考える、非常に実践的な内容でした

広告セミナーで見えた、小さな企業や地域企業にとっての広告の意味

今回の広告セミナーを通じて考えたのは、小さな企業や地域企業にとって広告をやる意味です。大手企業のように大きな広告予算をかけて何度も接触をつくれるブランドであれば、広告によって認知や想起を広げやすいかもしれません。しかし、地域企業や小さなブランドの場合、広告費にも限りがあるため、一度広告を出しただけで多くの人に知られ、すぐに売上が伸びるとは限りません

では、小さな企業や地域企業にとって広告は意味がないのでしょうか。今回のセミナーを通じて感じた答えは、「意味はある。ただし、短期で結果を出す魔法として考えるべきではない」ということです。広告は、すぐに売上をつくるものというより、長期的に思い出されるための投資に近いものです。

必要なタイミングで思い出してもらうためには、その前から接点をつくっておく必要があります。広告、SNS、Webサイト、ブログ、セミナー、事例紹介などは、単独で大きな成果を出すというよりも、企業やブランドの記憶を少しずつつくる活動です。ただし、「とにかく地道に頑張ればいい」という話ではありません。誰に、どんな場面で思い出されたいのかを考えたうえで、どこに投資するのかを設計することが重要です。

広告の成果を短期の反応だけで見るのではなく、長期的に選ばれる状態をつくるための投資として捉えること。小さな企業や地域企業ほど、この考え方が大切になります。派手な成果をすぐに求めるのではなく、必要なときに思い出される状態をどうつくるか。その設計がなければ、広告はただの出稿で終わってしまいます。

まとめ:広告は魔法ではない。だからこそ、現実を見て設計する

今回の広告セミナーでは、「広告にできること、できないこと」をテーマに、広告の役割や限界について学びました。広告は、出せばすぐに売れる魔法ではありません。人の気持ちを一瞬で変えたり、商品そのものを急に魅力的に見せたりすることも簡単ではありません。

この現実は、広告を出す企業にとっても、広告を支援する側にとっても、決して都合のよい話ではありません。「広告を出せば売れます」「認知を広げれば成果につながります」と言い切る方が聞こえは良いかもしれません。しかし今回のセミナーでは、そのようなきれいごとではなく、広告の現実に正面から向き合っていました。

広告には、できることとできないことがあります。広告は消費者を無理やり説得するものではなく、商品そのものを急に魅力的に変えるものでもありません。しかし、広告に意味がないわけではありません。大切なのは、広告に過剰な期待をするのではなく、広告が機能する場所を見極めることです。

短期で結果を出す魔法としてではなく、長期的に思い出されるための投資として考えること。商品そのものを無理に魅力的に見せるのではなく、どの文脈で、誰に、どんな切り口で届けるのかを設計すること。今回のセミナーは、広告代理店やマーケティングに関わる人たちが本当は言いにくい現実を、率直に共有してくれた貴重な回でした。

広告は魔法ではありません。だからこそ、ロジックが必要です。Shinkerでは今後も、Web広告、SEO対策、SNS運用、ホームページ制作などを通じて、地域企業の集客や情報発信を支援していきます。今回のセミナーは、広告との向き合い方を改めて考える機会となりました。

最後までお読みいただきありがとうございました‼︎
この記事は、株式会社Shinkerが執筆しました。
Shinkerは静岡を拠点に、Web制作・運用支援やデジタル施策の改善などを通じて、企業の発信と成果づくりをサポートしています。

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