レッドブルはただの飲料メーカーではない?!マーケティングの真実

レッドブルと聞くと、多くの人がエナジードリンクを思い浮かべるでしょう。しかし、実はレッドブルは単なる飲料メーカーではなく、マーケティング会社なんです。

この記事では、レッドブルの多面的なビジネスモデルについて解説していきます。

レッドブルのエナジードリンク事業

エナジードリンク市場は近年、急速に成長を遂げている分野です。この市場を作り出したのが、なんとレッドブル。エナジードリンクは、栄養ドリンクとしてだけでなく、パフォーマンス向上の目的とした飲料で売り出したことにより、特に若者やアスリートの間で人気があり愛され続けています。

現在では、レッドブルの他、モンスターエナジー、ロックスター、AMPエナジー、バンエナジーなどがあります。

レッドブルの誕生

レッドブル公式HPより出典

レッドブルは1987年にオーストリアで誕生しました。創業者のディートリヒ・マテシッツは、タイで見つけたエナジードリンク「クラティンデーン」にインスパイアされ、それを西洋市場向けに改良して発売しました。

そこで彼は、タイの実業家チャリアオ・ユーウィッダヤと提携し、レッドブルというブランドが生まれました。

レッドブル独自の戦略とは?

レッドブルの独特な広告戦略は、一般的な企業とは異なります。

ユニークな点は、製造と流通を外部に委託し、自社は主にマーケティングに注力していることです。

通常、日本の企業は製品の製造や販売も自社で行い、広告代理店にマーケティングを依頼することが一般的ですが、レッドブルは製品の製造を外部に委託し、自社は広告戦略に専念することで、市場での独自性と効果を追求しています。

ザ・コカ・コーラ・カンパニーがコーラを作っているように、レッドブルはレッドブルを製造する会社ではありません。レッドブルを委託された会社がレッドブルを製造し、マーケティングを行うのがレッドブル社なんですね。

世界中で伸び続けている売上

レッドブルの世界売上本数2011〜2023年 (statistaより引用)

2023年には世界で合計121億3,800万本のレッドブルを販売し、大きな成功を収めた2022年に比べて4.8%増加しました。グループの売上高は9%増加し、9兆6,840億ユーロから10兆5,540億ユーロに上がりました。 売上高、収入、営業利益も前年同様に上昇し、レッドブル史上最高の数字となっています。

レッドブル公式HPより引用

レッドブルはその斬新で大胆なマーケティング戦略によって急速に知名度を上げました。

特に若者やスポーツ愛好者をターゲットにした広告キャンペーンや、エクストリームスポーツイベントのスポンサーシップを通じて、レッドブルは一躍有名になりました。

その結果、レッドブルは現在、世界中で愛されるエナジードリンクブランドとなり、年間売上本数は60億本を超えています。

レッドブルのマーケティング戦略

レッドブルは、他のエナジードリンクブランドとは一線を画す、非常に独創的で斬新なマーケティング戦略を展開しています。これにより、特定のターゲット層に強力にアピールしています。

ブランドイメージの構築

レッドブルは「翼をさずける」というキャッチフレーズで知られています。

このフレーズは単なるエナジードリンクとしての効果を超え、消費者にポジティブなライフスタイルを提案するものです。

広告キャンペーンやイベントを通じて、レッドブルは活力と挑戦の象徴としてのブランドイメージを確立しました。

エクストリームスポーツのスポンサーシップ

レッドブルは、エクストリームスポーツや冒険イベントのスポンサーとしても有名です。

レッドブル・エアレースやレッドブル・クリフダイビングなどのイベントは、その代表的な例です。これにより、若者やスポーツ愛好者の間でのブランド認知度が高まりました。

自社メディアの活用

レッドブルは、自社でメディアコンテンツを制作・配信しています。

レッドブルTVやYouTubeチャンネルでは、スポーツ、音楽、冒険などの多彩なコンテンツが提供され、ファンとのエンゲージメントを強化しています。これにより、ブランドのメッセージを直接消費者に伝えることができます。

バイラルマーケティングとソーシャルメディア

レッドブルは、消費者の口コミを利用したバイラルマーケティングとSNSを効果的に活用しています。

驚異的なスタントや挑戦的なプロジェクトを通じて、自然に口コミが広がるようなコンテンツを作成しています。SNS上でのシェアやコメントを促進し、ユーザーの参加を引き出すことに成功しています。

レッドブルカーは一度見たら、目に焼き尽くし、ついつい写真も撮りたくなってしまいますよね!

商品の限定版とコラボレーション

レッドブルは、限定版商品の発売や他ブランドとのコラボレーションも積極的に行っています。これにより、消費者の興味を引き、新しい購買層を獲得することができます。例えば、特定のイベントや季節に合わせた特別デザインの缶を発売することで、話題性を高めています。

グローバルかつローカルなマーケティング

レッドブルは、グローバルな視点とローカルなアプローチを組み合わせたマーケティング戦略を展開しています。国や地域ごとに異なるキャンペーンやイベントを実施し、それぞれの市場に適したメッセージを発信しています。

これにより、世界中で一貫したブランドイメージを保ちながら、各市場のニーズに応えています。

「Red Bull Flight Day 2024」2024年5月26日に神戸ハーバーランドで開催されました。自作飛行機でどこまで飛べるか?という、世界で大人気のショー型コンテストイベント。

今年は9年ぶりに開催されて賑わった様子です。

これらの多角的なマーケティング手法により、レッドブルは単なるエナジードリンクメーカーにとどまらず、ライフスタイルブランドとしての地位を確立しています。

エナジードリンクに興味はなくても、思わずいってみたくなるような魅力的なイベントですよね。

スポーツチームの所有

スポーツチームの所有は、企業にとって重要な戦略の一環として位置付けられています。パフォーマンス向上を目的とするエナジードリンク市場では、企業のマーケティング戦略やブランドイメージ形成において、強力な手段となっています。

レッドブル・レーシング

レッドブルはF1チーム「レッドブル・レーシング」を所有しています。このチームはF1で多くのチャンピオンシップを獲得し、モータースポーツ界で高い評価を受けています。

レッドブル・レーシングは、優れたドライバーと革新的な技術を組み合わせ、競争力のあるチームとして常にトップを争っています。

サッカーチーム

レッドブルはサッカーチームも所有しています。代表的なチームとしては、RBライプツィヒ(ドイツ)やニューヨーク・レッドブルズ(アメリカ)があります。

これらのチームは各国のトップリーグで活躍しており、レッドブルのブランドをさらに広める役割を果たしています。特にRBライプツィヒは、ドイツ・ブンデスリーガでの成功により、欧州サッカー界で確固たる地位を築いています。

まとめ

レッドブルは、ブランド・マーケティング戦略において、新しいカテゴリーの創造と業界での先駆性を重視し、他ブランドとの差別化を図り、トップブランドとしての地位を確立してきました。

今後も新たな挑戦を続けるレッドブルから目が離せませんね。

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