【就活はマーケティングだ!】動物から考える選ばれる構造
目次
■売り手市場に安心していませんか?

就職活動をしている学生のみなさん、本当にお疲れさまです。
「今は売り手市場だから大丈夫」
そんな言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。実際、厚生労働省が公表している有効求人倍率は一定水準を維持しており、企業の採用意欲も回復傾向にあると言われています。数字だけを見ると、学生側が有利な環境のようにも見えます。

一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)について 厚生労働省
しかし、ここで一度立ち止まって考えてみたいのです。
市場は、本当に優しい場所でしょうか。
市場は「需要と供給」のバランスで動きます。企業が多くの学生を採用したいと思っていても、学生側が似たような経験や似たような自己PRを並べれば、実質的な競争はむしろ激しくなります。
特に最近は、ES作成にAIを使う学生も増えています。文章のクオリティは一定水準まで簡単に引き上げられる時代です。その結果、表面的には“きれいなES”が量産され、差がつきにくくなっています。
つまり、「売り手市場=簡単に選ばれる」ではありません。
むしろ今は、「誰がどれだけ頑張ったか」よりも、「誰がどれだけ企業に適合しているか」が問われる構造になっています。
私はマーケティング会社でインターンを始めてから、この“適合”という視点の重要性を強く感じるようになりました。そして気づいたのです。就活は努力比べではなく、構造理解のゲームなのではないかと。
上記のグラフはこちらから参照いたしました
↓↓↓↓↓
厚生労働省|一般職業紹介状況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1.html
■クジャクに学ぶ“性淘汰”と選択圧

動物の世界には「性淘汰」という概念があります。これはダーウィンが提唱した理論で、生存のための競争とは別に、「異性に選ばれるかどうか」が進化に影響するという考え方です。
クジャクのオスが広げるあの大きな羽は、実は生存に有利とは言い切れません。派手で目立つため、捕食者に見つかるリスクもあります。それでも残ってきたのは、メスがその模様を好み、選んできたからです。
ここで重要なのは、「自分がきれいだと思う模様」ではなく、「相手が好む模様」が残ってきたという点です。クジャクは自己満足で羽を広げているのではありません。選ばれる確率を高めるために、進化の中でその形に最適化されてきました。
就活も同じではないでしょうか。
「リーダー経験があります」「努力家です」
それが企業にとって魅力的な“模様”になっているのかどうか。そこまで考えられているでしょうか。
性淘汰は残酷です。選ばれなければ、次に進めません。市場もまた、適合しなければ通過できない構造です。
Wikipedia より性淘汰の概念ついて知りたい方はこちらをどうぞ
↓↓↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/性淘汰
■カエルとミツバチに見る“伝わる設計”

カエルはただ大声で鳴いているわけではありません。種類ごとに周波数やリズムが異なり、同じ種の相手に最も届きやすい形で鳴いています。つまり、「相手に届く音」で鳴いているのです。
また、ミツバチは「ワグルダンス」と呼ばれる動きで蜜の場所を仲間に伝えます。角度や振動の長さで距離や方向を示し、仲間が正確に理解できるように設計されています。
ここで言いたいことはとてもシンプルです。
どれだけ良い情報でも、相手に正しく伝わらなければ意味がないということです。
就活のESや面接も同じです。どれだけ良い経験があっても、企業側が「自社でどう活きるのか」を具体的にイメージできなければ評価にはつながりません。
大切なのは、「自分が話したいこと」ではなく、「相手が理解できる形」に翻訳することです。
■先輩や友人の話から見える“市場理解不足”

私はまだ学生なので、偉そうに評価できる立場ではありません。ただ、友人や先輩の話を聞いていて感じることがあります。ここから先は、私が実際に聞いた話や、よく見聞きするものを紹介します。
ある先輩は、第一志望の面接に落ちて「理由がわからない」と言っていました。Aさんはサークルの代表で、部員40人の運営や新歓の改善もやっていて、実績自体は十分すごいです。ところが面接での受け答えはこうでした。
「リーダーとして全体をまとめました。苦労したのはモチベ管理です。」
面接官が「当社のどの業務に活きそうですか?」と聞くと、Aさんは一瞬止まってから、
「どの会社でもリーダーシップは必要だと思います」
と答えてしまったそうです。言っていることは間違っていないのに、企業側からすると“うちじゃなくても良くない?”となります。Aさんの強みが弱いのではなく、その企業の事業や課題に接続されていなかったのだと思います。
次に、友人(仮にBさん)は自己分析がやたら強いタイプでした。MBTI、ストレングスファインダー、価値観診断、自己PRの型。ノートまで作って「自分は挑戦が好きで、成長意欲が強い」とスラスラ言えます。でも企業研究は浅くて、志望動機がこうなりがちです。
「御社は成長できる環境だと思ったので志望しました」
企業側からすると、「どの部分が?」「何の事業で?」となります。Bさんは努力しています。でも努力が“相手の世界”に届いていない。つまり、自分の内側は語れても、相手のニーズを読めていない状態です。
これは能力不足でしょうか。
私はそうは思いません。
問題は、市場理解です。
実際、新卒入社3年以内の離職率は一定割合で推移していると公表されています。

(参考:厚生労働省「新規学卒者の離職状況」)
このグラフは30〜99人規模の企業における3年以内離職率を示しています。約40%前後で推移し、3〜4割が早期離職しています。また、全体として会社が小規模であるほど離職率が高く、大企業ほど低い傾向があります。
これは単に「我慢が足りない」からではなく、企業と個人の間に認識のズレがある可能性も示しています。
企業が何を求め、どんな未来を描き、どんな課題を抱えているのか。その構造を理解せずに自分の話だけをしても、選ばれる確率は上がりません。
そしてここが難しいところですが、市場理解とは単に「企業研究をすること」ではありません。企業のホームページを読み、説明会に参加し、パンフレットを暗記することが本質ではないのです。
本当に問われているのは、「相手の立場に立ったとき、自分の経験がどう価値に変換されるか」を考えられているかどうかです。
これは一朝一夕で身につくものではありません。だからこそ、意識していないと差がつきません。努力しているのに結果が出ないとき、その原因はスキルではなく“視点”である可能性があるのです。
(参考:厚生労働省「新規学卒者の離職状況」)
https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001319023.pdf
■マーケ会社のインターンで気づいた“見えないニーズ”

私は現在、Shinkerというマーケティング会社でインターンをしています。
そこで気づいたことがあります。
依頼(仕事)を出してくれる方が、すべてを100%言語化してくれるとは限らないということです。表に出ている指示の裏に、「本当はここを改善したい」「ここをもっと伸ばしたい」「この数字を動かしたい」という意図が隠れていることがあります。
最初の頃、私は提示された内容だけを見て作業していました。「これで大丈夫だろう」と思って提出してしまうこともありました。しかし、それでは足りませんでした。相手の期待に“近づいている”だけで、完全には届いていなかったのです。
そこから意識が変わりました。
・この依頼の最終ゴールは何か
・なぜ今この施策をやるのか
・クライアントはどんな状況に置かれているのか
・言葉にされていない願いはないか
そう考えるようになりました。
また、限られた時間の中でクオリティを維持することの難しさも学びました。自分の理解が曖昧なまま進めると、後で修正が大きくなります。だからこそ、早めに先輩や上司に質問するようになりました。
そもそも関係者とのコミュニケーションは、期待値のズレを早めに潰すほど強いです。
おすすめアンカーテキスト:関係者コミュニケーションの改善方法
URL:Atlassian(Stakeholder communication)
質問することは弱さではありません。むしろ、早い段階で確認できることが信頼につながるのだと知りました。
そして気づいたのです。
社内でも、自分のポジション取りは常に行われているということに。
どんな視点を持っているか。
どこまで考えられているか。
どんな価値を出せるか。
私は会社の中でも、自分自身をマーケティングしているのだと実感しました。社会に出る前から、市場構造の中に立っていることに気づいた瞬間でした。
■まとめ:あなたは設計していますか?

売り手市場に甘えることは簡単です。
「とりあえず出せばどこか受かるだろう」
「AIで整えれば何とかなるだろう」
そう考えることもできるかもしれません。
しかし市場は、努力の量よりも適合の質を見ています。
クジャクのように羽を広げるだけでは不十分です。
カエルのように大声で鳴くだけでも足りません。
ミツバチのように、正確に伝わる設計が必要です。
就活は特別なイベントではありません。社会に出てからも続く、「選ばれる構造」の最初のステージにすぎません。
だからこそ、今の段階で“市場を見る目”を持てるかどうかは大きな差になります。
私自身もまだ成長途中です。完璧ではありません。それでも、マーケティングという視点を持てたことで、物事の見え方は確実に変わりました。ESを書くときも、会話をするときも、「相手は何を求めているのか」という問いが自然に浮かぶようになりました。
あなたは、ただ羽を広げているだけでしょうか。
それとも、相手が求める模様を設計していますか。
その違いが、選ばれるかどうかを分けるのだと思います。
この記事について
この記事は、株式会社Shinkerが執筆しました。
Shinkerは静岡を拠点に、Web制作・運用支援やデジタル施策の改善などを通じて、企業の発信と成果づくりをサポートしています。


