世代別に見るX(旧Twitter)の価値

Xは、3億人を超える世界中の利用者が匿名で登録できるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)です。

140文字という短いテキストで情報を共有するこのプラットフォームは、個人から企業まで幅広い利用者に利用されています。さまざまな世代がXを利用する中で、それぞれ異なる傾向や特性が見られます。では、世代ごとのX利用の傾向を見てみましょう。

SNS利用者数と世代別利用者数

Xは、2006年3月21日にアメリカでリリースされ、日本では2008年から普及し始めました。

当初は「Twitter」として知られていましたが、2023年にイーロン・マスク氏が買収し、「X」という名前に変更されました。Xは、情報が迅速に拡散し、リポスト(リツイート)されるとフォロワー以外の人々にも到達するオープンなプラットフォームです。

日本におけるSNS利用者数

ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」より引用

「ICT総研」による2022年の調査によれば、日本全体でのSNSサービス利用者数は年々増加していることが示されています。その中の一つがX(旧Twitter)です。

X(Twitter)は国内で月間アクティブユーザー数が6,658万人(2024年1月時点)であり、利用者数ランキングでは国内3位に位置し、利用率ランキングでは国内4位のSNSメディアです。

世代別SNS利用者数

総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書 」より引用

総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書 」によると、全年代のX利用率は46.2%で、利用率が最も高い年代は20代で78.6%に達しています。

一方で、40-50代でも約40%の方が利用しており、若年層だけでなく中高年層も幅広く利用しています。これは、Xが幅広い世代に対して興味深い情報やコンテンツを提供し、それぞれのニーズに応えるプラットフォームであることを示しています。

若年層(10代〜20代)の視点

若年層(10代〜20代)がXを利用する際の視点は、いくつかの重要な要素に焦点を当てます。

ツイート文化の形成と拡散力

Xを使って自分の考えや感情を短いテキストで表現し、他のユーザーと共有します。この独自のツイート文化が形成され、面白い、興味深い、あるいは感動的なツイートが拡散されることで、話題となっていき、情報収集の中核ともなっていきます。

ハッシュタグの活用とトレンドへの関心

ハッシュタグは重要なコミュニケーションツールです。特定のトピックやイベントに関連するハッシュタグを使うことで、自分のツイートを関連するコミュニティーに拡散させることができます。また、10代〜20代はトレンドに敏感であり、新しいトレンドや話題について議論し、共感することに興味を持ちます。

ユーザー同士のコミュニケーションとつながりの重視

Xを通じて友人や興味を共有する他のユーザーとのコミュニケーションを重視します。リプライやリツイートなどの機能を通じて、他のユーザーと直接や間接的にやり取りをすることで、つながりを深めます。また、自分と共通の興味や価値観を持つユーザーとのつながりを築くことにも重きを置き、SNS上での出会いや交流もリアルとの境界線がほどんどなく構築される場合も多いです。

中年層(30代〜50代)の視点

中年層(30代〜50代)のXr利用の視点は、以下のような要素に焦点を当てます。

ニュース情報や専門知識の入手手段

Xを利用して最新のニュースや専門的な知識を入手します。個人差はありますが、政治、経済、科学、技術などの分野での情報収集に利用されます。さまざまな専門家や機関がX上で情報発信を行っており、それらの情報にアクセスすることで正確な情報をスピーディに得ることができ、日常的に活用できます。

プロフェッショナルネットワークの構築とビジネス利用

ビジネスやキャリアのネットワーク構築にもXを、活用します。業界のリーダーや専門家、同僚とのつながりを築き、情報交換や仕事の機会を探ることができます。また、自分の専門知識や経験を発信することで、自身のプロフェッショナリズムを高めることもできます。

インフルエンサーとしての活動や情報発信の重要性

自身の専門知識や経験を活かして、インフルエンサーとしての活動を行っている方も多くいます。

業界での信頼性や影響力を高めるために、定期的に価値のある情報を提供し、フォロワーとの交流を深めます。このような活動は、個人ブランディングやビジネスの促進に役立ちます。

高齢層(60代以上)の視点

60代以上のXユーザーは、14.1%と利用率は低いですが、使用している方もいらっしゃいます。

Xを利用する際の視点は、以下のような要素に焦点が当てられます。

家族や友人とのコミュニケーション手段

ユーザーは、遠く離れた家族や友人とのコミュニケーション手段としてXを利用します。写真や動画を共有したり、メッセージを送ったりすることで、日常生活の情報や近況を交換し合い、交流を楽しみます。

ニュースや地域情報の入手源

またXを通じて最新のニュースや地域情報を入手することもあります。地元のイベントやコミュニティーの情報、政治や社会問題に関する情報など、幅広い関心のあるトピックについて知ることができます。

ボランティアや趣味活動の情報収集

Xを使ってボランティア活動や趣味活動に関する情報を収集し、共有します。地域のボランティア団体や趣味のサークルなど、共通の関心事を持つ人々と交流し、情報やアイデアを交換します。世代の違う仲間と交流するために、慣れないSNSに登録する方々もいらっしゃいます。

世代間の違いと共通点

世代間の違いと共通点を理解することは、Xの利用において重要です。

インターネット利用の習慣や技術的な差異

年齢が上がるにつれて、インターネット利用の習慣や技術的なスキルには大きな差異があります。

若年層はよりテクノロジーに詳しく、新しいプラットフォームや機能に積極的に取り組みます。一方、高齢層はテクノロジーに馴染みが薄く、よりシンプルなインターフェースや使いやすさを求める傾向があります。

情報収集の目的やニーズの違い

各世代は異なる情報収集の目的やニーズを持っています。若年層は主にエンターテイメントや最新のトレンドに関心を持ち、60代以上はより実用的な情報や健康、経済、家族に関する情報に関心を持ちます。そのため、X上での情報発信やコンテンツの提供は、ターゲットの世代に合わせてカスタマイズされる必要があります。

まとめ

異なる世代がXを効果的に活用するためには、その世代ごとのニーズや目的に合わせたアプローチが必要となってきます。

世代ごとの特徴を理解することは重要ですが、消費行動は個人の価値観にも強く影響されています。世代別の特徴はあくまで傾向であり、個々のユーザーのニーズや好みに焦点を当て、必要な情報を必要な人に届けてあげるのが、マーケティングとして重要になってくるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です